シトルリンの発見 カラハリ砂漠のお話

シトルリンの発見
カラハリ砂漠のお話

1930年に日本でスイカから発見

シトルリンはアミノ酸の1種。1930年の日本で、スイカから発見されました。 シトルリンという名前はスイカの学名Citrullus vulgaris(シトルラス ブルガリス)から名づけられたものです。シトルリンはスイカの原種といわれているカラハリ砂漠の野生スイカに多く含まれており、光が強く乾燥した過酷な環境で生きていくために重要な役割を果たしている成分だと考えられています。

カラハリ砂漠の野生スイカ

スイカの原種とされカラハリ砂漠に自生する野生スイカは、日本のスイカとはずいぶん違っています。一番の違いはその味です。野生スイカは日本のスイカのような甘味はありません。実も小さく、果肉も赤くありません。

全ての生き物たちの命の水

カラハリ砂漠で暮らす狩猟採集民族サンの人々は、この野生スイカを飲み水や料理用の水、身体を洗う洗浄水として利用しています。人間だけでなくヤギやロバ、犬までもが野生スイカで水分補給しているといいます。野生スイカが砂漠という厳しい自然の中で生き抜くことができるのは、シトルリンを多く含んでいるからです。

砂漠の水がめ 野生スイカ

池谷 和信(1991) 季刊民俗学、56:35-42
copyright(c)2011 citrulline laboratory. all right reserved.

環境ストレスから自分を守るシトルリン

通常の植物は、水がない状態で太陽の強い光にさらされると、毒性の強い活性酸素が多量に発生し枯れてしまいます。しかし野生スイカは、葉の部分にシトルリンを蓄積することで自分を守ります。野生スイカにとって、砂漠の強烈な環境ストレスに耐えうるためにシトルリンを生成することは非常に重要です。

野生スイカの優れた乾燥・ストレス耐性

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