ヒトの体内ではNO(一酸化窒素)というガスがつくり出されています。NOが健康に対して有用であることは、1998年にノーベル医学・生理学賞を受賞した研究で認識されるようになりました。NOは私たちの血管内で日々産生されている物質で、血管をしなやかに拡げる作用があり、それにより身体のすみずみまで酸素や栄養素が運ばれます。また、NOは血管壁に血球やコレステロールが付着し血管が狭くなるの緩和することで動脈硬化を緩やかにすることにも重要なはたらきをしています。シトルリンはこのNO(一酸化窒素)を生み出します。そして、NOには血管を拡張し血流を促進する作用があります。それにより、動脈硬化の緩和やスポーツ時においてパフォーマンスアップ、疲労回復などの効果が報告されています。
世の中には500種類以上のアミノ酸があることが知られています。体内の多くのアミノ酸は、それらが長くつながったタンパク質という状態で体内に存在していますが、それ以外にも、一部のアミノ酸はたんぱく質を構成せず、1つ1つバラバラな状態で存在していることが知られています。それが遊離アミノ酸です。これは、細胞内や血中をめぐって必要な時にすぐはたらけるように準備しています。シトルリンはそんな遊離アミノ酸の1つで、体内をめぐっています。遊離の状態でしか存在していないアミノ酸としては、シトルリンのほかにも、オルニチンやギャバなどが知られています。最近、これらのアミノ酸への注目が高まっており、さまざまな研究がなされ、多彩な機能が解明されてきています。